「眠れる二重身」

眠れる二重身


柚木伏(ゆきぶせ) 亜矢と亜紀。
2人は姉妹である。

だが実際には、亜紀はいないハズなのだ。

亜矢は幼少の頃に事故で両親を失い、
亜紀も死んでいる。
それは確かだと思っている。

だから亜紀は、自分の妄想が生み出した「空想の存在」だと亜矢は思っている。
事実、亜紀の存在は不確かだと思える部分も多い。

そして自分の一部である事を裏付けるように、
亜紀とは脳裏の奥底がつながっている。


そして亜矢は、今いる世界が現実ではない事も知っている。
<地獄>というものなのだ。

<地獄>とは、
幼少の頃に、誰でも一度は落ちる悪夢の世界。
現実が、いちじるしくゆがむのである。

たいがいの子は数日、数年もしないで終える事ができる世界だが、
柚木伏 亜矢は高校一年生になった今でも、
その世界を引きずったまま、脱する事ができないでいる。


<地獄>で死ねば、無論死ぬ。

周りに押し潰されて、すぐにでも死んでしまいかねない亜矢を救うかのように、
妹の亜紀は超常的な力を持っている。


現実とどうつながりがあるのかわからない<地獄>の中で、
姉妹は強く生きて行こうとする……。



第1話 この世は地獄
第2話 人の死を願い続ける女
第3話 なくした母との新たな思い出
第4話 『地獄』の真相
最終話 戻るべき世界




戻る