「口裂け女」とは?

劇中の泉美(いずみ)のサイト記事より抜粋、修正加筆したものです。


 ★口裂け女、とは?

 1970年代の終わり頃。日本全国で、とある妖怪のウワサが広まりだした。
 ――その名は、口裂け女。

 顔の下半分を覆う、大きなマスクをしている女性の妖怪で、学校から帰宅途中の子供などに声をかけてくる。
 ……「アタシ、キレイ?」と。

 大きなマスクで顔がよく見えず、問われた子供はとまどうだろう。
 でも、質問に答えようとする。
 「……キレイです」
 そうお世辞で言ったが最後。その女はおもむろにマスクを引き剥がし……その耳まで裂けた大きな口をあらわにし……そして叫ぶのだ。「これでもキレイかーー!?」と。


 ……また、「キレイじゃない」と答えれば、手に持ったカマやナイフで引き裂かれて、殺される。
 その口裂け女の問いには、「それなりに」と答えるのが正解らしい。それで女の感情は逆なでされずに、事は無事に済むのだろう。
 逃げてもダメ。口裂け女はなんと、100mを3秒で走る、などという話もあるのだから……。

 ★口裂け女の発祥について

 口裂け女発祥の地は、岐阜県、というウワサが有力な模様。(なぜかはわからない)

 なお1970年代終わり頃というのは、日本各地で春先、「花粉症」の出始めた時期とされ、マスクをしている人が多く、そのマスク顔に恐れを抱いた子供が、空想の中でオバケを作り出してしまった、とも考えられているようです。
 マスクをした顔が、威圧(いあつ)的に感じられるせいだろうか?

 そんなマスク顔の人ばかり、よく見る。 →怖い →マスクの中には……大きな口があるんじゃないか? などという妄想が、妖怪という形に結びついてしまったのかもしれません。
 また、花粉症という事もあり、具合の悪そうな顔が、怖く見えたのかもしれません。

 ※(なお、この「口裂け女花粉症説」は、HP「おばけずかん」さんより、引用の許可をいただき、掲載させていただいたものです)


 ★口裂け女の好きなもの、苦手なもの

 口裂け女は「べっこう飴」や「小梅ちゃん(商品名)」が大好物らしい。もし持っていたら、投げつけてやろう。口裂け女がそれを拾ってなめているスキに、逃げられるのだとか。

 また、口裂け女の誕生には、「整形手術失敗談」というのがあり(整形手術で口を裂かれた女が、狂って妖怪みたいになってしまった、という話)、その整形手術を行った医者が、頭にポマードをべっとりとつけていて、手術中、女は具合が悪くなったのだとか。
 だから「ポマード」と3回唱えると、その時の事を思い出し、苦しみだすのだそうだ。


 ★まとめ

 ――口裂け女というのは、口が裂けているから怖い。というだけの妖怪なようだ。
 口裂け女のウワサはよく聞くが、その怪談はあまり聞かない。そもそも、口裂け女は話に、しにくい気がする。
 一般的によく言われる「口裂け女整形手術説」は、そもそも穴がありすぎる。整形の失敗、というのが解せない。口を間違って裂いてしまったのなら、縫い直せば済む事ではないか? よって、物語に使うには破綻(はたん:理屈にあわない)している説となる。
 べっこう飴が好きとか、100メートルを3秒で走る、などというのも、失笑を誘うだけ。

 では、口裂け女という都市伝説(世にはびこる不可解なウワサ)の醍醐味(だいごみ)とは、一体、何なのであろうか?
 それは……マスク姿の見知らぬ女に、「アタシ、キレイ?」と聞かれるところなのではないだろうか?
 ……答えはわかっている。しかし、口裂け女を語る上で、これは外せない特色だと、僕は思う。
 そして、マスクを外し、耳まで裂けた大きな口をあらわにする瞬間。
 理屈はいらない。ヒトの口が大きく裂けているのを想像するだけで……怖い。

 僕が思うに、ぐちゃぐちゃの怪物を見たところで、恐怖はそんなに湧かないと思う。それは、ゲームなどで見慣れているせいもあるだろう。
 本当に怖いものは、人間の姿を、少し崩したもの。
 世には、顔の一部を失った障害者の方などもいるだろうから、詳しくは書けないが、とにかく、人間の目と口は大きなポイントだ。目はそれをアップで映されただけでも怖い場合が多々ある。
 そして口。笑っている口。裂けている口。などなど。

 まとめの先にあるように、口裂け女というのは、口が裂けているから怖い。というだけの妖怪だと思う。
 しかしそれもまた、都市伝説の一端をになうにふさわしい、直感的な怖さ、を与えてくれるものなのではないだろうか?





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